腰部脊柱管狭窄症:歩くと痛む足のしびれ、その原因と対策
2025/08/26
腰部脊柱管狭窄症:
歩くと痛む足のしびれ、その原因と対策
●はじめに:休みながらでないと歩けない症状の正体
「少し歩くと足がしびれて痛くなり、歩けなくなる。でも、少し前かがみになって休むとまた歩けるようになる」。このような症状に心当たりはありませんか?
これは、中高年に多く見られる「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」の典型的な症状です。単なる加齢による足腰の衰えと自己判断せず、正しい知識を持って対処することが重要です。
本記事では、この腰部脊柱管狭窄症の原因、特徴的な症状、そして治療法について詳しく解説します。
●腰部脊柱管狭窄症とは?
背骨の中には、脳から続く重要な神経の束である「脊髄(せきずい)」や、そこから枝分かれする「末梢神経(まっしょうしんけい)」が通るトンネルがあります。このトンネルを「脊柱管(せきちゅうかん)」と呼びます。
腰部脊柱管狭窄症とは、主に加齢に伴う変化によって、この腰の部分の脊柱管が狭くなり、中を通っている神経が圧迫されることで、様々な症状を引き起こす病気です。
主な原因:
・加齢による変性:年齢とともに、背骨を構成する椎間板が膨らんだり、椎間関節が変形して骨のトゲ(骨棘)ができたり、神経の後ろにある黄色靱帯が厚くなったりします。
これらの変化が複合的に作用し、脊柱管を内側から狭めていきます。
・生活習慣:長年の労働や、腰に負担のかかる悪い姿勢、運動不足による筋力低下なども、背骨の変性を助長する一因となります。
・先天的な要因:まれに、生まれつき脊柱管が狭い人もいます 49。
●特徴的な症状:「間欠跛行(かんけつはこう)」
腰部脊柱管狭窄症の最も特徴的な症状は、「間欠跛行」です。
・歩行と休息の繰り返し:
立ったり歩いたりして背筋を伸ばすと、脊柱管がさらに狭まり神経への圧迫が強まるため、足の痛みやしびれ、重だるさ、脱力感などが現れて歩行が困難になります。
・前かがみで楽になる:
一方で、前かがみの姿勢をとったり、椅子に座ったりすると、脊柱管がわずかに広がり神経への圧迫が和らぐため、症状が軽快し、再び歩けるようになります。
このため、歩いては休み、休んではまた歩くということを繰り返すようになります。自転車をこぐ動作は前かがみになるため、痛みなく長時間続けられることが多いのも特徴です。
・その他の症状:
腰痛(ただし、腰痛はそれほど強くない場合も多い)、安静時の足のしびれや冷感、足の裏の感覚異常などが挙げられます。症状が進行すると、筋力が低下したり、排尿や排便に障害(膀胱直腸障害)が現れたりすることもあり、注意が必要です 9。
●診断と治療法
診断は、特徴的な症状である間欠跛行の有無を確認し、神経学的な診察を行った上で、X線(レントゲン)、MRI、CTなどの画像検査で脊柱管の狭窄と神経の圧迫状態を評価して確定します。
治療は、まず保存療法から開始するのが一般的です。
薬物療法:神経の血流を改善する薬(プロスタグランジンE1製剤)や、神経の過敏性を抑える薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが用いられます。
リハビリテーション:ストレッチや筋力トレーニングを行い、腰回りの筋肉を強化し、背骨の安定性を高めます。物理療法(温熱療法など)で血行を改善することもあります。
装具療法:コルセットを装着して腰部を安定させ、負担を軽減します。
神経ブロック注射:痛みが強い場合に、局所麻酔薬などを神経の周りに注射して、痛みの伝達をブロックします。
これらの保存療法で症状が改善しない場合や、歩行障害が進行して日常生活に大きな支障をきたしている場合、あるいは筋力低下や排泄障害などの重い症状が見られる場合には、手術療法が検討されます。
手術は、神経を圧迫している骨や靱帯の一部を切除して、脊柱管を広げる「除圧術」が基本となります。
●日常生活での予防と対策
腰部脊柱管狭窄症の進行を抑え、症状を悪化させないためには、日常生活での工夫が大切です。
姿勢の工夫:腰を反らせる姿勢は症状を悪化させるため、避けるようにします。重い物を持ち上げる際は、膝を曲げて腰を落とすなど、腰に負担をかけない動作を心がけましょう。
適度な運動:ウォーキングは症状を誘発することがあるため、自転車こぎや水中ウォーキングなど、腰への負担が少ない運動が推奨されます。体幹を鍛える運動も有効です。
●まとめ
腰部脊柱管狭窄症は、加齢に伴い誰にでも起こりうる病気です。
歩行時の足のしびれや痛みを「年のせい」と諦めずに、整形外科を受診して正確な診断を受けることが、症状改善への第一歩です。
適切な治療とセルフケアによって、痛みやしびれをコントロールし、より快適な日常生活を取り戻すことは十分に可能です。
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