橈骨遠位端骨折:転倒で手をついた後の手首の痛みと治療
2025/08/29
橈骨遠位端骨折:
転倒で手をついた後の手首の痛みと治療
●はじめに:転倒時に起こりやすい代表的な骨折
転んでとっさに手をついた時、手首に激しい痛みを感じたら、「橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)」を疑う必要があります。
これは、前腕にある2本の骨のうち、親指側にある太い骨「橈骨(とうこつ)」が、手首の近く(遠位端)で折れてしまう骨折です。
あらゆる年齢層で起こり得ますが、特に骨がもろくなった高齢者や、スポーツ活動中の若者に多く見られます。
本記事では、この非常に頻度の高い橈骨遠位端骨折の原因、症状、そして治療法について詳しく解説します。
●橈骨遠位端骨折の原因と症状
原因:
ほとんどのケースは、転倒して地面に手をついた際に発生します。
高齢者の場合は、屋内でのつまずきなど、比較的軽微な転倒でも骨折に至ることが少なくありません。
これは、骨粗鬆症によって骨の強度が低下していることが背景にあります。
若い世代では、スノーボードやスケートボードなどのスポーツ中や、交通事故などで強い力が加わって発生します。
症状:
骨折した手首周辺の強い痛みと腫れ。
骨がずれる(転位する)ことによる手首の変形。フォークを伏せて置いたような形に見える「フォーク状変形」が典型的です。
手首を動かすことができない。
皮下出血(あざ)。
指のしびれ。骨折による腫れで、手首にある正中神経が圧迫されること(急性手根管症候群)で生じることがあります。
●診断と治療の選択
診断は、症状の確認とX線(レントゲン)検査によって行われます。
X線写真で骨折の有無、骨片の数、ずれの程度などを評価します。
関節内に骨折が及んでいる場合や、骨が細かく砕けている(粉砕骨折)場合には、より詳細な評価のためにCT検査が行われることもあります。
治療法は、骨折の型やずれの程度、患者さんの年齢や活動レベルなどを総合的に考慮して決定されます。大きく分けて「保存療法」と「手術療法」があります。
●保存療法:ギプスによる固定
骨折のずれが小さい場合、または徒手整復(としゅせいふく)によって骨を元の位置に戻すことができた場合には、保存療法が選択されます。
徒手整復とギプス固定:医師が麻酔下で、骨折部を引っ張ったり押したりして正しい位置に戻し(徒手整復)、その状態を維持するためにギプスで固定します。固定期間は通常4~6週間程度です。
固定中のリハビリ:ギプスで手首は固定されていますが、肩や肘、そして特に指は、むくみやこわばりを防ぐために、積極的に動かすことが非常に重要です。
●手術療法:プレートなどによる内固定
以下のようなケースでは、手術療法が推奨されます。
骨のずれが大きい、または不安定で、ギプス固定だけでは良い位置を保てない場合。
骨が細かく砕けている粉砕骨折や、関節内に骨折が及んでいる場合。
早期の社会復帰や機能回復を希望する場合。
手術では、皮膚を切開して骨折部を直接見て正しい位置に戻し(観血的整復)、金属製のプレートとスクリューで内側から強固に固定する方法(プレート固定)が現在主流となっています。
この方法の利点は、強固な固定が得られるため、ギプス固定が不要または短期間で済み、早期から手首のリハビリテーションを開始できることです。
これにより、関節が硬くなる「拘縮」を防ぎ、より良好な機能回復が期待できます。
●治療後のリハビリテーション
ギプスが外れた後、あるいは手術後、固まった関節の動きを回復させ(可動域訓練)、筋力を取り戻すためのリハビリテーションが不可欠です。
理学療法士や作業療法士の指導のもと、温熱療法や手首・指の運動などを根気強く続けることが、後遺症を最小限に抑え、元の生活に戻るための鍵となります。
●まとめ
橈骨遠位端骨折は、適切な治療を受ければ多くの場合、良好な回復が期待できる骨折です。
しかし、治療が不十分だと、痛みが残ったり、手首の動きが悪くなったり、変形したまま骨が癒合してしまったりすることがあります。
転倒して手をついた後に強い痛みや変形がある場合は、自己判断で様子を見たりせず、速やかに整形外科を受診してください。
特に高齢者の場合、この骨折は骨粗鬆症の存在を示す重要なサインでもあります。骨折の治療と並行して、骨粗鬆症の検査と治療を開始し、次の骨折を予防することが極めて重要です。
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