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上腕骨近位端骨折:肩の付け根の骨折とリハビリテーション

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上腕骨近位端骨折:肩の付け根の骨折とリハビリテーション

上腕骨近位端骨折:肩の付け根の骨折とリハビリテーション

2025/09/04

上腕骨近位端骨折:

肩の付け根の骨折とリハビリテーション

●はじめに:高齢者の転倒で起こる肩の骨折

 

高齢者が転倒した際に起こりやすい骨折は、手首や太ももの付け根だけではありません。肩の付け根の骨折、すなわち「上腕骨近位端骨折(じょうわんこつきんいたんこっせつ)」も非常に多い骨折の一つです。この骨折は、肩の動きに直接影響するため、治療後のリハビリテーションが特に重要となります。本記事では、上腕骨近位端骨折の原因、治療法、そして機能回復の鍵となるリハビリテーションについて詳しく解説します。

 

 

●上腕骨近位端骨折とは?

 

上腕骨は、肩から肘までをつなぐ腕の骨です。その肩関節に近い部分(近位端)は、骨頭、大結節、小結節、外科頸といった部位から構成されています。上腕骨近位端骨折は、これらの部分で発生する骨折の総称です。

 

・原因:
ほとんどは、転倒して手や肘、あるいは肩を直接打つことによって発生します。特に、骨粗鬆症で骨がもろくなっている高齢者では、自宅でつまずく程度の軽い転倒でも骨折に至ることがあります。若い世代では、スポーツや交通事故など、より強い外力によって発生します。

 

・症状:

肩周辺の激しい痛みと腫れ。

腕を動かすことができない。

骨折部周辺に広範囲の皮下出血(あざ)が現れる。数日経つと、このあざが腕から胸のあたりまで広がってくることがあります。

まれに、骨折によって近くを走る神経や血管を損傷することがあります。

 

 

●診断と治療の選択

 

診断は、問診とX線(レントゲン)検査によって行われます。骨折の部位や骨片の数、ずれ(転位)の程度を正確に評価するために、CT検査が追加されることが多くあります。治療方針は、このずれの程度によって大きく異なります。

 

・保存療法:ずれが小さい場合の治療

骨折部のずれが小さい場合や、高齢で手術のリスクが高い場合には、保存療法が選択されます。

 

固定:手術は行わず、三角巾やアームスリング、バストバンド(胸に巻くバンド)などを用いて腕を吊り、安静を保ちます。肩関節は固まりやすい(拘縮しやすい)ため、完全なギプス固定は通常行いません。

早期からのリハビリ:固定中であっても、医師の指示のもと、手首や肘、指を動かす運動は早期から開始します。そして、骨折部の安定性を見ながら、2~3週間後には振り子運動(コッドマン体操)のような、肩関節を優しく動かすリハビリを開始し、関節が固まってしまうのを防ぎます。

 

・手術療法:ずれが大きい場合の治療

 

骨折のずれが大きい場合や、骨片が複数に分かれている不安定な骨折では、良好な機能回復を目指すために手術療法が選択されます。手術方法には、骨折のタイプに応じて様々なものがあります。

 

骨接合術:金属製のプレートやスクリュー、釘(髄内釘)などを用いて、骨折部を内側から固定します。

 

人工骨頭置換術:骨折が非常に複雑で、骨頭部が壊れてしまっている場合や、血流が途絶えて骨が壊死するリスクが高い場合に、骨頭を金属製の人工物に置き換える手術です。

 

手術の利点は、骨折部を安定的に固定できるため、より早期から積極的なリハビリテーションを開始できることです。

 

・機能回復の鍵を握るリハビリテーション

 

上腕骨近位端骨折の治療において、リハビリテーションは保存療法・手術療法のいずれにおいても最も重要な要素です。肩関節は人体で最も可動域の大きい関節である一方、非常に固まりやすいという特徴があります。適切なリハビリを行わないと、骨は癒合しても腕が上がらない、回らないといった後遺症が残ってしまいます。

 

リハビリは段階的に進められます。

 

固定期:肩以外の関節(肘、手首、指)を動かし、筋力低下やむくみを防ぎます。

 

可動域訓練期:骨の癒合状態に合わせて、振り子運動から始め、徐々に腕を上げたり回したりする運動(他動運動・自動運動)へと進めていきます。壁に手をついて腕を這わせていく「壁這い運動」なども行われます。

 

筋力強化期:可動域がある程度回復したら、ゴムバンドなどを使って肩周りの筋肉(特に回旋筋腱板)を強化するトレーニングを行い、安定した力強い動きを取り戻します。

 

リハビリは痛みを伴うこともあり、根気が必要ですが、専門の理学療法士の指導のもとで焦らず着実に続けることが、後悔のない回復への道です。

 

●まとめ

 

上腕骨近位端骨折は、日常生活の動作に大きく関わる肩関節の骨折であり、治療の成否はリハビリテーションにかかっていると言っても過言ではありません。転倒後に肩に強い痛みや腫れが生じた場合は、速やかに整形外科を受診してください。そして、治療が始まったら、専門家の指導を信じてリハビリに真摯に取り組むことが、再び自由に腕を動かせるようになるための最も大切な心構えです。

 

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