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骨折手術と全身麻酔:知っておくべきリスクと術前後の注意点

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骨折手術と全身麻酔:知っておくべきリスクと術前後の注意点

骨折手術と全身麻酔:知っておくべきリスクと術前後の注意点

2025/09/09

骨折手術と全身麻酔:知っておくべきリスクと術前後の注意点

整形外科専門医による解説

●はじめに:手術への不安を和らげるために

 

骨折の治療で手術が必要になった場合、多くの患者さんが「全身麻酔」に対して不安を感じます。「眠ったまま目が覚めなかったらどうしよう」「麻酔は体に悪いのではないか」といった心配は、当然のことです。

しかし、現代の麻酔科学は大きく進歩しており、全身麻酔は非常に安全性の高い医療行為となっています。

本記事では、骨折手術における全身麻酔の目的と流れ、そして患者さん自身が安全のために守るべき術前後の注意点について、分かりやすく解説します。

 

 

●なぜ全身麻酔が必要なのか?

 

全身麻酔の目的は、単に患者さんを眠らせることだけではありません。以下の3つの重要な要素をコントロールすることで、安全で質の高い手術を実現します。

 

・鎮静(意識の消失):手術中の意識をなくし、不安や恐怖を感じないようにします。

 

・鎮痛(痛みの除去):手術による強い痛みを完全に遮断します。

 

・筋弛緩(筋肉の弛緩):体の筋肉をリラックスさせ、手術操作を容易にし、体の反射的な動きを防ぎます。

 

これらの作用により、執刀医は手術に集中でき、患者さんは心身ともに最も負担の少ない状態で手術を受けることができるのです。

 

 

●手術前の最も重要な注意点:「絶飲食」の厳守

 

全身麻酔を受けるにあたり、患者さんに守っていただく最も重要なルールが「絶飲食(ぜついんしょく)」です。

麻酔科医が指示した時間以降は、食事はもちろん、水やお茶などの飲み物も一切口にしてはいけません。

 

・なぜ絶飲食が必要なのか?
その理由は、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」という重篤な合併症を防ぐためです。全身麻酔中は、喉の反射機能が抑制されます。

もし胃の中に食べ物や飲み物が残っていると、それが逆流して気管から肺に入ってしまう可能性があります。

胃酸を含む内容物が肺に入ると、激しい化学性の肺炎を引き起こし、これは通常の肺炎よりも治療がはるかに困難で、命に関わることもある非常に危険な状態です。

 

・絶飲食の時間は病院によって異なる
絶飲食の開始時間は、手術の予定時間や病院の方針によって異なります。「手術前日の夜9時以降」「手術当日の午前0時以降」など、具体的な指示がありますので、必ずそれを厳守してください。

もし、誤って飲食してしまった場合は、安全のために手術が延期されることもありますので、正直に医師や看護師に申し出てください。

 

 

●手術後の流れと注意点

 

・麻酔からの覚醒:手術が終わると、麻酔薬の投与が中止され、患者さんは自然に意識を取り戻します。麻酔から覚めた直後は、まだ少しぼんやりしていたり、寒気を感じたりすることがあります。

 

・術後の痛み(術後痛):麻酔が覚めると、手術部位の痛みが出てきます。痛みを我慢する必要はありません。点滴や内服薬など、様々な鎮痛方法がありますので、遠慮なく看護師に伝えてください。痛みをコントロールすることは、早期離床やリハビリテーションを進める上でも非常に重要です。

 

・食事と飲水の再開:手術の種類や麻酔方法によって異なりますが、一般的に消化器系以外の手術(整形外科など)では、比較的早期に飲水や食事が再開されます。

通常は、手術後数時間経って、吐き気などがなければまず水分から開始し、問題がなければ翌日から食事を摂ることができるようになります。

ただし、高齢者や嚥下機能に不安のある方では、誤嚥を防ぐために、食事開始のタイミングは慎重に判断されます。

 

 

●高齢者の全身麻酔におけるリスク

 

高齢の患者さんの場合、心臓や肺、腎臓などの予備能力が低下していることが多いため、若年者と比べて麻酔に伴うリスクは高くなります。特に注意が必要なのは以下の点です。

 

・術後せん妄:手術や麻酔、入院という環境の変化がストレスとなり、術後に一時的に時間や場所が分からなくなったり、興奮したりする「せん妄」という状態が起こることがあります。

 

・術後認知機能障害:術後に、記憶力や集中力などが一時的に低下することがあります。

 

・合併症:肺炎や心臓・血管系の合併症のリスクが相対的に高くなります。

 

麻酔科医は、これらのリスクを十分に理解した上で、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、最も安全な麻酔薬の選択と管理計画を立てています。

 

 

●まとめ:チーム医療で支える安全な手術

 

骨折の手術における全身麻酔は、外科医、麻酔科医、看護師などからなる医療チームが連携し、患者さんの安全を最優先に考えて行われます。患者さん自身にできる最も重要なことは、絶飲食のルールを始めとする医師や看護師からの指示を正しく理解し、守ることです。手術や麻酔について分からないことや不安なことがあれば、どんな些細なことでも遠慮なく質問し、納得して治療に臨むことが、心身ともに良い結果につながります。

 

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