【整形外科医監修】身長が2cm縮んだら危険信号？年末にチェックしたい「3つの骨の老化サイン」

おはようございます。整形外科医の金井です。

 

今年も残すところあとわずかとなりました。 大掃除やお正月の準備に追われている方も多いと思います。

 

ふと掃除の手を止めて鏡を見た時、あるいは久しぶりに袖を通した洋服を着た時、自分の姿に「あれ？」と違和感を覚えることはありませんでしたか？

 

「なんだか背中が丸くなった気がする」 「昔より背が低くなった？」

 

その違和感、気のせいではないかもしれません。

 

2025年最後の配信となる今回は、ご自身、そして帰省したご両親の体を守るための**「骨の老化シグナル」**チェックをお届けします。

 

この1年を振り返りながら、体からのSOSサインが出ていないか確認してみましょう。

 

【危険度チェック！この1年で心当たりはありませんか？】

骨や筋肉の衰えは、痛みが出る前に必ず「予兆」として現れます。 以下の3つの項目に、一つでも心当たりがないかチェックしてください。

 

1．身長が「2cm以上」縮んだ

2．爪が割れやすくなった・二枚爪になる

3．靴下を履く時など「片足立ち」でふらつく

 

いかがでしょうか。 実はこれらは、整形外科医が診察室で重視している**「骨と筋肉の危険信号」**なのです。 一つずつ、その医学的な背景を解説します。

 

●1. 身長が2cm以上縮んだ＝「背骨がつぶれている」可能性

「歳をとれば背は縮むもの」と軽く考えてはいけません。

医学的には、若い頃（20代）と比較して身長が2cm以上縮んでいる場合、背骨のどこかがつぶれている可能性があります。

 

これが、痛みを感じないまま進行する**「いつのまにか骨折（脊椎圧迫骨折）」**です。

 

背骨（椎体）がスカスカになり、自分の体重を支えきれずに押し潰されてしまう現象です。

 

放置すると、背中が曲がる（円背）だけでなく、逆流性食道炎や心肺機能の低下など、内臓の病気を引き起こす原因にもなります。

 

●2. 爪が割れやすくなった＝「深刻なタンパク質不足」

爪と骨、一見関係なさそうですが、実は材料には共通点があります。

 

爪の主成分はケラチンというタンパク質です。そして骨も、カルシウムだけでなく、コラーゲンというタンパク質の繊維が土台となっています。

 

つまり、爪が薄くなったり、割れやすかったりするのは、体内で**「材料（タンパク質）」が枯渇しているサイン**です。

 

爪に栄養が回っていないということは、体の奥にある骨もまた、材料不足でスカスカになっている可能性が高いのです。

 

●3. 片足立ちでふらつく＝「ロコモティブシンドローム」の入り口

掃除中や着替えの時、片足で立った瞬間にグラッとした経験はありませんか？

 

これは、骨を支えるための筋肉やバランス能力が低下している証拠です。

 

運動器の障害により要介護のリスクが高まる**「ロコモティブシンドローム（運動器症候群）」**の初期段階と言えます。

 

ふらつきは「転倒」の最大のリスクです。骨が弱っている状態で転倒すれば、大腿骨骨折などの重大な事故に直結してしまいます。

 

 

【気づいた「今」が、若返りのスタートライン】

チェックリストの結果はいかがでしたか？ もし当てはまる項目があっても、過度に不安になる必要はありません。

 

体からの「助けてサイン」に気づけたこと自体が、大きな前進だからです。

 

気づいた「今」こそが、対策を始めるベストタイミングです。

 

食事でタンパク質やカルシウムを補い、無理のない範囲で体を動かす。

 

その小さな積み重ねで、骨は何歳からでも強くすることができます。

 

来る2026年は、このサインを見逃さず、**「骨から若返る1年」**にしましょう。

 

私たち「コツコツグルメ」が、その道のりを全力でサポートします。

 

まずは、温かいお風呂にゆっくりと浸かり、今年一年頑張り抜いたご自身の体を、優しく労ってあげてください。

 

 

今年も一年、コツコツお疲れさまでした。 どうぞ、良いお年をお迎えください！

 

 

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