【整形外科医監修】全身の骨活は「お口」から!歯科健診が最強の骨折予防になる理由
2026/06/01
【整形外科医監修】全身の骨活は「お口」から!歯科健診が最強の骨折予防になる理由
こんにちは。整形外科医の金井です。 6月に入り、梅雨の足音も少しずつ近づいてきましたね。
天候が不安定になりやすく、体調管理が難しい時期ですが、ご自身の健康のための学びを休まず続けている貴方の前向きな姿勢は、本当に素晴らしいです。
さて、今週6月4日は「虫(6・4)歯予防デー」です。 それにちなんで、今日は「歯」と「骨」の深い関係についてお話しします。
整形外科医の私が言うのも少し不思議かもしれませんが、実は「骨活のスタートは歯科健診から」と言っても過言ではないほど、歯の健康は骨の寿命に直結しているのです。
【今日の骨活トリビア:歯を失うと「骨の材料」と「運動能力」が奪われる】
「歯」は単なる食べ物を砕く道具ではありません。骨を強くするための、最も重要な門番です。
●1. 噛めなくなると「栄養」が偏る
骨の土台となるタンパク質(お肉やお魚)や、カルシウム(小魚や海藻など)をしっかり摂取するには、丈夫な歯で「よく噛む」ことが不可欠です。虫歯や歯周病で歯が痛むと、無意識のうちに噛まなくても飲み込める柔らかいもの(うどんやパンなどの炭水化物)ばかりを選ぶようになり、骨の材料が決定的に不足してしまいます。
●2. 踏ん張る力の源は「奥歯」の食いしばり
転びそうになった時にグッと踏みとどまるバランス力や、運動をして骨に刺激(メカニカルストレス)を与える時、人間は必ず「奥歯を強く食いしばって」体幹を安定させています。奥歯を失うと、全身の筋力が数パーセントから十数パーセントも低下すると言われており、いざという瞬間に踏ん張れず、転倒リスクが跳ね上がるのです。
【絶対に知っておきたい「骨のお薬」と「アゴの骨」の関係】
もう一つ、整形外科医として強くお伝えしたいのが、お薬に関する注意点です。
骨粗しょう症の治療として、以前ご紹介した非常に効果の高いお薬(ビスホスホネート製剤やプラリアなど)を使用している場合、日頃のお口のケアが「必須条件」となります。
なぜなら、これらのお薬を使っている方が、虫歯や歯周病を重症化させて放置し、急に「抜歯」をすることになった場合、非常にまれ(0.01%程度)ではありますが、バイ菌がアゴの骨に感染して「顎骨壊死(がっこつえし:アゴの骨が腐ってしまう病気)」を引き起こすリスクがあるからです。
最新の医学ガイドラインでは「抜歯の際にお薬を休む必要はない(休むことによる骨折リスクの方が怖いから)」とされていますが、一番の予防策は「そもそも抜歯が必要な状態になる前に、口内環境を清潔に保つこと」に尽きます。
【今日の一日一骨:まずは「歯科健診」の予約から】
そこで今日は、ご自身のスケジュール帳を開いて、かかりつけの歯科医院へ「定期健診」の予約を入れてみませんか?
歯石を取ってもらい、虫歯や歯周病のチェックを受けること。 一見、骨とは関係のないお口のケアが、実は最強の「骨折予防」であり、安全にお薬の治療を続けるための最大の命綱になります。
美味しいお肉や小魚を自分の歯でしっかりと噛み締め、いつまでも力強く歩ける骨格を守っていきましょう。
今日もコツコツ、骨活を頑張りましょう。
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