【整形外科医監修】転ばない体を維持できている?専門医が教える「転倒リスク」2つのセルフチェック
2026/07/04
【整形外科医監修】転ばない体を維持できている?専門医が教える「転倒リスク」2つのセルフチェック
こんにちは。整形外科医の金井です。 7月に入り、梅雨明けの足音とともに本格的な夏の暑さが近づいてきましたね。
気温が高くなると動くのが億劫になりがちですが、そんな中でもご自身の体と向き合い、健康のための学びを続けている貴方の姿勢は本当に素晴らしいです。
さて、前回「骨折の約8割は転倒(転ぶこと)から起こる」とお話ししました。 そこで今日は貴方に一つ質問です。
「ご自身の転倒リスクが今どのくらいなのか、客観的な数字で把握していますか?」
骨を強くする運動を続ける上で、「今の自分の実力」を知り、「成長や維持」を数字で実感することは、モチベーションを保つために非常に重要です。
今日は、整形外科の研究でも古くから使われている、エビデンス(科学的根拠)に基づいた簡単な「2つのセルフチェック法」をご紹介します。
【今日の骨活トリビア:なぜこの2つで「転倒リスク」がわかるのか?】
今回行うテストは、「立ち上がり」と「片脚立ち」の2つです。これらが転倒予測に優れているのには、医学的な理由があります。
●1. 立ち上がりは「瞬発力と踏ん張る力」
椅子から立ち上がる動作は、人間の体の中で最も大きな筋肉である「大腿四頭筋(太もも)」と「大臀筋(お尻)」のパワーを一気に必要とします。このタイムを測ることで、つまずきそうになった瞬間に「グッと踏みとどまるための筋力」が残っているかを正確に評価できます。
●2. 片脚立ちは「歩行の安定性と神経伝達」
人間が「歩く」という動作は、連続した片脚立ちの繰り返しです。片脚でバランスを取るためには、お尻の横の筋肉(中殿筋)の強さと、脳からの神経伝達がスムーズに行われている必要があります。これができないと、障害物を避ける時に足が前に出ず、転倒に直結してしまうのです。
【今日の一日一骨:ご自宅で測れる2つのセルフチェック】
ご自身の調子が良い時に、絶対に無理のない範囲で測定してみてください。
●テスト①:椅子から5回立ち上がりチェック
40cm程度(膝が90度くらいに曲がる高さ)の安定した椅子を使います。 1.椅子に浅く腰掛けます。 2.腕の反動を使わずに、腕を胸の前でクロスした状態で「立ち上がって座る」を5回繰り返し、かかった時間を測ります。
<医学的な目安>
〇 12秒以内(素晴らしいです!)
△ 12〜15秒(少し注意が必要です)
▲ 15秒以上(転倒リスクが高い状態です)
●テスト②:片脚立ちチェック
必ず机や手すりのすぐ近くで行い、ふらついたらすぐに手や足を付ける状態で安全に行ってください。
1.やりやすい方の脚で片脚立ちになります(目は開けたままです)。
2.バランスを崩して足をつくまでの時間を測ります。
<医学的な目安>
〇 15秒以上(素晴らしいです!)
△ 5〜14秒(少し注意が必要です)
▲ 5秒未満(転倒リスクが非常に高い状態です)
【数字で成長を感じ、「維持」することが最大の目標】
医学的な研究では、立ち上がりに15秒以上かかり、片脚立ちが5秒未満の方は、そうでない方に比べて転倒リスクが極めて高いことが分かっています。
まずは、この「▲の危険ゾーンを脱出すること」を目指してみてください。 そして、何よりも大切なのは「そのスコアを維持すること」です。
人間の体力や筋肉量は、何もしなければ年齢とともに必ず落ちていくものです。
ですから、ずっと同じスコアで「頭打ち」になっているとしたら、それは老化に逆らって見事に筋力をキープできている証拠であり、大成功の「骨活」と言えます。
気張らずに、ご自身のペースで。栄養をしっかりと摂り、安全な運動を組み合わせながら、いつまでも自分の足で力強く歩ける体を維持していきましょう。
今日もコツコツ、骨活を頑張りましょう。
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